『レ・ミゼラブル』
レイトショーで観てきました。
良かったぁぁ(*゚▽゚*)
劇中何度も涙が流れて、初っ端からハンカチ用意していて良かったと思いました。
このブログを見に来てくれている人みんなに観に行って~とは言いません。
なぜなら「ミュージカル」だからです。
悪い意味ではなく、音楽でストーリーが展開していくのを肌に合わない人は合わないからです。なので作品の善し悪し関係なく「合わない」という理由で悪く言われるのは忍びないので、ダメな人は無理しないで下さい……という事です。
でも、ミュージカル未体験の人は感覚が合うかどうか知る為に観て欲しいな、と思います。
映画『プリティウーマン』の中でコールガールのヴィヴィアンをオペラに連れて行ったエドワードが上と似たような事を言っていましたね。でもセリフが思い出せない。「一生の友達になれるかどうか、初めで分かる」みたいな感じだったかな?
ジャン・バルジャン役、ヒュー・ジャックマン
バルジャンを執拗に追いかける刑事ジャベール役、ラッセル・クロウ
が、もう、もう、カッコよかった!
コゼットの母親役ファンテーヌ役、アン・ハサウェイ
は美しく、不慮に落ちていく姿を切なく、でも力強く演じてくれました。
娘のコゼットを思いながら、落ちるところまで落ちてしまった己の人生”夢やぶれて”を泣き叫びながら歌うシーンには涙が止まらなかった。
この作品はミュージカルで何度か観ているのですが、一番良かったのが姉の知り合いの旦那さんが出演していて、その御好意に甘えて席を取ってもらったら、舞台の真ん中の前の方で、俳優さん方の表情や仕草が全部見えた時です。この時の感情移入は半端なかった。
そして、別作品になりますが、ニューヨークのブロードウェイで見た「ミス・サイゴン」が最前列で、俳優の汗や息遣いまで分かって、何より感動したのが、流石人種のるつぼ、その役柄をその人種の方がやっているのです。これだけでも感情の追いつきが違うんだと感じました。
映画では、仕草表情を近くで見れる、人種に違和感がない……という両方を網羅しているのです。こりゃ、たまらんでしょ?そのおかげでミュージックナンバーに酔いしれるだけではなく、登場人物一人一人の感情が伝わってきました。
おお?まだネタバレにも入っていないのに、長々と書きすぎましたね。ちょっと熱量抑えろって感じですか。すまないね、見終わったばかりで抑えられないの。
(。・ ω<)ゞてへぺろ♡
さて、ネタバレです。
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ジャン・バルジャンは19年の刑期の後、仮釈放を受けるけど仕事はありません。どこに行っても虐げられ、心が荒んでいる時に食事と寝床を与えた教会の司祭様に慈悲の心を教えられます。
その時に彼は仮釈放の紙を破りすて、ジャン・バルジャンという名前を捨て、新たな人生を送る事を決めます。この時、神への感謝と自分自身は何者なのか?という事を歌ったシーンにまず涙。
司祭様、ありがとう。
ファンテーヌは、お金の為に髪と体を売っただけでなく、奥歯まで売っていたのには驚いた。死期の近づく彼女の視界に愛する娘、コゼットが浮かんだのにも涙。とにかくアン・ハサウェイが可憐すぎて……。
コゼットを迎えにいったバルジャンは、コゼットを自分に与えられた贈り物だと思います。劇のミュージカルでは私の想像力が乏しかった為、義務感の方が強いと思っていたので、映画で、彼を必要とするコゼットの握り締める手に初めて幸福を感じた様子が微笑ましかった。
あと、コゼットがバルジャンの温もりに安心しているのが分かって嬉しかった。
マダム・テナルディエ役をやったヘレナ・ボナム=カーターは、性格俳優ですね。チャーリーとチョコレート工場といいハリーポッターといい、この人が出るだけで目が釘付けになる。
マリウスを慕うエポニーヌ役をやったサマンサ・バークスは映画では新人になるのかな?登場した時、イメージが違うーと思ったけど、歌声聞いた瞬間、スゲーーーーー!と思いました。顔もどんどん可愛く見えてくる。one day moreは最早ミュージカルナンバーの金字塔。
エポニーヌ、最後までいい子だった。親がどうしようもないと可哀想。
バルジャンを執拗に追うジャベールの最期、川に身を投じるシーンは、彼の良心の呵責だと思っていたのですが、発した言葉に答えがあった。
彼は「ジャン・バルジャンの世界から逃れたい」と言っているではないですか!
あああ……そうか、バルジャンがどれだけ優れた人格だと分かっても、ジャベールは生きている限りバルジャンを追わなきゃいけないのですよね。そういう人生ですものね。そしたらそれに終焉を迎えたいと思った彼の気持ちがスッと入ってきました。
これは呵責を超えた愛じゃないか!?
そしてラスト、コゼットの元から姿を消し、修道院で死期を迎えるバルジャン。
彼の元に娘コゼットとその婿マリウスがやってきます。あの世からはファンテーヌの魂が迎えにきます。
己の人生の全てを「Who am I(私は誰だ)」と問う続けてきたバルジャンが、コゼットとマリウスの存在によって
「今、私の命は幸福だ」(うろ覚え)
という言葉を言えるまでに到達したのに感無量。ここまできたらもうハンカチで涙拭わなくていいやーって、流しっ放しにしときました。
腹を空かせた妹の為にひとつのパンを盗んだ事によって、 バルジャンの人生は転がるように落ちていきました。彼がどんなに他の人の為に人生を捧げても、パン一つで犯罪者でしかないのですよ。彼に助けられた人達は彼にどんなに感謝しても、法が彼を許さないのですよね。
こうして文字に起こしていると、ジャベールもその不条理さを感じたのかな、と思います。
バルジャンの元にコゼットという贈り物が与えられて良かった。そして、一人残してしまうであろう彼女に最良の伴侶が現れて良かった。
バルジャンの命に幸せの意味を与えてくれて良かった。
反乱のバリケードに入ってからは、ちょっと退屈。
最後に、コゼットは小さい頃も成長してからも可愛いよ。